【独断と偏見で語る第二外国語のすゝめ】114514. 中国語
こんにちは。サードです。
唐突ですが、「射爆了」という表現、最近よく目にしませんか?
これは直訳だと「爆発するように射精した」、ニュアンスでいう「ぐうシコ」「濃いのが出た」といった中華風おシコリ報告なんですね。
これは元々中国のネット用語として存在してはいたんです。
近年アズールレーンをはじめとする強大なオタク・コンテンツが日本に進出してきたのち、ビリビリ動画(中華版ニコニコ)やPixiv等で日本のクソオタクとお太い交流が生まれ、お互いのミームが相互に汚染されてしまいました。
日本からは「草」「謝謝茄子」などが輸出されています。クッソ汚いなぁ…
はい。
何で急に新規ブログまで作ってこんなこと書き始めたかというと、
昨日ずいぶん前これを読んだからなんです。
皆さんご存知の大手DMP、ぴ(@pikapikaDM)さんのブログになります。
最近はヨーロッパ諸国の言語を第二外国語として勉強する際にどこが利点や欠点になるのか、など解説する記事を大好評執筆されています。自分がこのシリーズの序文にあたる「0.はじめに」を読んでいたところです。そこには、これらを執筆するにあたっての経緯が記されていました。
~~~
ん?
はい。
という訳で私も同様に5つの観点から、第二外国語としての中国語を評価していきたいと思います。
中2の頃に格好良さそうという理由だけで"まいにちドイツ語"のCDを毎月積んでた(本当に積むだけして終わった)自分だとどうしても、ヨーロッパと細かい部分を比較~~なんてことはできないんですけどね。
あ、先日書かれていたスペイン語の解説なんかは完全に門外漢な自分でも興味をそそられた内容なので、みなさんもぜひ読んでください。
中国語
文字:★★ 発音:★
単語:★★★ 文法:★★★
有用性:★★
文字、発音なんかは大体なぜこんな評価なのか察しがつくかもしれません。
文字:★★
[画像省略]
日本の常用漢字が2000ちょっとだから、中国もそのくらいなのかな?いや、漢字だけで成立してるし、日本よりは多いんじゃないの?
あまりピンと来ないかもしれません。
中国政府発布《通用規範漢字表(2013)》によると、
一級字:3500字 (常用レベル)
二級字:3000字 (難読字)
三級字:1605字 (マニア向け)
苦行かな?
これを欧米人の立場から見ると地獄そのもの・ドM専用コースです。
★マイナス5000兆ぐらいになるのは想像に難くありません。
なるんですが。
幸いにも我々は漢字を使い続けていた日本国の住民です。
アルファベットとほぼ変わらないような言語ほどシンプルではありませんが、 大部分の漢字は意味含め共通しています。聞くより見る方がわかりやすい。
また、中国漢字は一部例外を除き字と読みは1:1対応です。日本語のように音読み訓読みそれぞれ数種類なんてことはありませんので、覚えてさえしまえば。
一般に中国大陸で使われている漢字は簡体字です。
これは古来の漢字である繁体字を識字率の向上・国民の負担軽減などを目的として、草書体や筆記書体を参考に簡略化したものです。
日常生活では簡体字を使用しますが、書道などでは繁体字が使われます。
年配の人はほぼ、若者は70%読めます。書くのはどの年代でも難しいでしょう。
現在、繁体字は台湾や香港で依然として使われ続けています。簡体字は中国共産党(=中華人民共和国)が創り出したものなので、政治的に統一を認めない彼らの立場ではあまり進んで使いたくない文字なんです。
日本の漢字はこれらのおおむね中間にあたります。日本政府が独自に簡略化したものなので、字によっては中国の簡体字よりも簡単なものもあります。
日本も現在の漢字になる前は繁体字(≒旧字体)を使用していました。明治時代からの簡略化の歴史ですとか、大正略字がところどころ簡体字に似てたりだとか面白いんですが、それはまたの機会にします。
文字の簡略化について、少々具体的な所を見てみましょう。
【へん・つくり・かまえの簡単化】
話・語・証 →话・语・证 飯・飲・館 →饭・饮・馆
銭・銀・鉄 →钱・银・铁 車・軟・載 →车・软・载
漢・難・嘆 →汉・难・叹 観・現・視 →观・现・视
頁・順・頂 →页・顺・顶 聞・問・閲 →闻・问・阅
【漢字のうち一部を切り取る】
開→开 関→关 麺→面 裏→里
児→儿 業務→业务 従(從)→从
【全部または一部を読みの似ている漢字に置換】
頭→头[tou] 蝦→虾[xia] 遠→远[yuan]
後→后[hou] 認識→认识[renshi]
【原型なし(草書体が由来?)】
書→书 撃→击 豊→丰 無→无 衛→卫
ここ一番つかれた
こうして見てみるとある程度は規則性があって面白く思えてきません?
実際、簡体字はどのように省略されてるのかを多少知ってさえいれば、中国語文章の解読はもう7割がた出来たようなもんです。
発音:★
ゴミ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!れ!!!!!!!!れ
中国語にはデフォルトで日本人に再現不能な発音が死ぬほど含まれている上、各文字に4種類の声調が与えられています。
本当のことを言うと星1つもあげたくない。
この通り、同じ[ma]音でも声調によって全て違う意味になり最悪死に至ります。
有名どころをあげてみましょう。
好[hǎo] (3声) 良い、了解
好[hào] (4声) 好き、愛する
四[sì] (4声) 4
死[sǐ] (3声) 死ぬ
声調の概念は日本人にとって難易度が非常に高いです。そもそもコミュニケーションに難のある声ボソボソ陰キャオタクだともう中国語向いてない。
ここでは割愛しますが、3声が並んだ時に手前側が2声に変化するルールがあったり、後に続く文字によって声調が変わる…なんてのもあって、第二外国語として取るとしても、間違いなく†覚悟†が必要な面になります。
発音の方を見ていきますが、多分さっき散々こき下ろした声調よりもゴミです。
中国語の母音は6種類あり、うち日本語と大きく異なる2つがこんな感じです。
母音[e]…「エ」と「ウ」の中間の音 ゲップ
母音[ü]…突き出した「ウ」の口で「ユー」と発音。
中国語の発音(以下、ピンイン)は一音あたり
「(子音)+ 母音or複合母音 +(n/ng)」の組み合わせで出来ています。
子音とn/ngはあったりなかったりします。ピンインは基本同じアルファベットでは同じ発音をするんですが、稀によく特例があって困るんですね。
[si][zi][ci]…左から順に、「スー」「ヅー」「ツー」。i要素どこ?
[shi][zhi][chi]も同様
[feng]…「フォン」にしか聞こえん
日本人学習者にとって最難関であるピンインです。死ぬほど難しいくせにこれができないと「我是日本人wo shi ri ben ren」すら言えない。
【Tier1】
[r-] [zh-]…舌を上アゴに近づけ、息を送って濁らせて出す音。[zh]は開始時に接触。
おそらく最難関。英語話者のRにやや近いかも…?
[sh-] [ch-]…上の濁らない版。微妙に掠れた音。[ch]は開始時に接触。
これら4つのうち[r]とその他は分けて教えられるが、同じだと思う
[-ng]…後鼻音。後ろの方でんーって言って口を開けて響かせる音。
日本人は[n]と[ng]と[m]を無意識で使い分けてるらしい。
後ろの方って何?
出来ねンだわ
単語の接続などによる発音変化こそないものの、日本人学習者の19191919419%がここで詰みます。俺もよくわかってない。違いははっきりしているので見たり聞いたりする分にはまあそこまで障害にはならないかもしれん。
それに、上海・広州をはじめとする中国の南部地域に住む人々も、上記3つの発音がまずできません。大部分の中国人は下手な中国語を聞くのに慣れているので、実際に会話する際は四声さえしっかりしていれば意味は通じるでしょう。
既に2外でチャイ語を取ってるオタク。「是」はシーって発音するより[si]と完全に同じスーにしたほうが通じやすい
単語:★★★
かなーり近いです。
文字の所でご覧になったように、漢字の簡略化さえ覚えてしまえば…意味としてほぼ同じになるか、近いものである割合が非常に高いです。
「警察」「経済」「電気」「科学」「国際」…これらは現在立派な中国語ですが、日本語から逆輸入された単語だったりします。日本では、明治時代に西洋からきた学術用語を翻訳していました。後に中国が近代化する際に、それらの用語をまるごと拝借したわけですので、特に学術用語に関してはかなり一致しています。
よく「手紙(=主にトイレ用のポケットティッシュ)」「勉強(=無理をする)」みたいな、日本語の漢字が中国ではこんなものを表してしまう!?というものを見かけますが、それはだいぶ極端な例と言えるでしょう。それに、元を辿れば "手にする紙" だったり、"強くつとめる" という風に解釈もできて、筋は通っています。
要するに、たとえ初めて見る単語が出てきても、構成している字からの推測が容易であり、特例があっても覚えるのは難しくないでしょう。これはもう日本人にとって非常にアドバンテージな部分であるといえます。アドです。好きでしょ?アド。
実際に私も中国実地にて多国籍の中国語クラスに参加していたことがあります。彼らの多くにとって新しく単語を覚える作業は苦痛を極めるものですが、むしろ中級レベル以降になると、日本語に存在する単語が多くなってきます。学術用語とか。その時クラスに日本人は自分一人だけだったんですけど、一人で勝手に理解してしまうので異世界チート主人公みたいな存在になっていました。
後は、日本で使われていない漢字が単語中に…なんてこともあります。
これが何を表しているのか、ちょっと考えてみてください。
二氧化碳
「二」と「化」が見えるし、なんかの化学物質かな?
最後は石編に「炭」だけど、もしかすると炭素…?
2文字目は完全に分からないけど、二なんとか化炭素っぽいかな。
二酸化炭素だったり?
はい、これは二酸化炭素ですね。
こういう思考プロセスを経て、かなり近いとこまで行けるもんです。というより、中国語の学習自体が、常にこんな流れになると思います。
ちなみに中国語で元素の名前は、すべて1文字の専用漢字で表します。
気体だと「气」の中になにか入り、液体は「溴(臭素)」、「汞(水銀)」といった感じで水が付きます。個体はというと、非金属は石偏、金属は金偏が付いているため、どこまで非金属か覚える必要がありません。スマートじゃないですか?
たびたびすいませんが、日中韓の言語はどれも似たような発音をもつ単語があります。これは中国由来の漢字単語によるものです。例をあげれば韓国語で"ありがとう"が「カムサハムニダ」ですが、このうち「カムサGamSa」部分が「感謝」にあたります。日本語では「カンシャKanSha」、中国語では「ガンシェGanXie」です。これも今度個別に書k
文法:★★★
中国語の文法は基本的には英語と同じSVO系です。
基本的には英語を基準に単語を配置すれば自然と文になります。
我-爱-你[wǒ ài nǐ] S-V-O
I love you S-V-O
中国語の大きなメリットとして、
①活用が一切存在しない
②時制がガバガバでも割となんとかなる
という面があります。
中国語の動詞は…
人称による変化なし!数変化なし!法変化なし!時制変化なし!(※) こう見ると神の言語に見えてきませんか???
活用が存在しない中国語において、どうやって多言語の活用に相当する表現を行うかというと、全てを助動詞の付け足しでやるんですね。
例)
我吃 私は食べる
我不吃 私は食べない
我吃了 私は食べた
我没吃 私は食べなかった(食べていない)
我要吃・我想吃・我想要吃 私は食べたい ⇔我不想吃
我会吃・我能吃・我可以吃 私は食べれる ⇔我不能吃
我吃过 私は食べたことがある(食べている)⇔我没吃过
めちゃくそ便利じゃないですか????????
え、じゃあ未来系はどうすんの??ですよね、そこで時制の話に移るんですよ(早口オタク)
例えば「昨日食べた麺が超良かった」を英語にしてみると、
The noodle I ate yesterday was pretty good. 合ってるのか?
といった感じに周りの動詞も「昨日」につられて変化します。
ところがこれが中国語になると、
我昨天吃的面条真好吃。
え?さっき「食べた」は「吃了」って言ってたじゃん直前書いたこともう頭から抜け落ちてんのか?
それがね、「昨天(昨日)」とかの日時を表す語句を入れると文全体がオートで過去を表すんすね。これは未来でも同様。いやよくよく考えたら日本語も「食べた」「よかった」の部分で活用入ってますね。中国の学生に日本語教えてた時はみんな慣れるのに時間かかってました。
さて一方、日本人には理解が難しい文法も若干あります。
例を出すと、動詞の種類の中に離合詞というものがあって、これは[動詞+目的語]の形をとっている一つの単語のことを指します。
何が厄介かというと、これらの単語はたまに日本語で「◯◯する」という一つのサ変動詞となっていることがあり、中に目的語があるのを見逃しやすい所にあります。
(参考)marry …[V]
結婚する …サ変動詞
结婚[jiéhūn] …结[V]+婚[O] 日本語に無理やり訳すと「婚を結する」
married …[Vp]
結婚した …過去形
结了婚 …结[V]+了[過去系助動詞] +婚[O]
チャイ語初級卒業の壁とも言えるでしょう。一見離合詞に見えてそうじゃなかったりするので、地道に覚えろ。
まあ、先程の活用・時制における便利機能などが相まって、北京語言大学いわく世界的には漢字と同音単語さえ考慮しなければ日常会話においてトップクラスに学習しやすい言語とされているそうです。ほんとか?
有用性:★★
中国語が一般に話されているのは中国大陸・台湾・香港・マカオを主として、シンガポール・マレーシアでも使われています。また、フィリピン・ミャンマーからインドネシアにかけての東南アジア諸国には多少の話者が存在し、中華系二世が多く居住するカナダやオセアニアなどでも見られます。
話者の総数は14億人弱とのことですが、中国大陸だけでそのうち11億以上は占めているでしょう。★2とした理由はここで、どうしても英語・スペイン語ほどのモンスター言語と比べては通用範囲の面で劣ります。
個人的な感触だと、最近はもっぱら商業・IT系での中国語話者が非常に求められているのを感じます。
日本でビジネスする以上はどうしても中国人を相手にする機会が多くなるでしょうし、先程列挙した地域でも英語の代替として中国語で対応してくれる場所もかなりあると思うので、習得すればかなりの武器になるのは間違いなさそうです。
・・・・・・
な、なんとぉ!!!!
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(`・ω・́)ゝドモ
— ウェアハウス公式 (@WAREHOUSE_OA) September 25, 2019
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行きたかったけど、忘れてた~って皆様!!
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当時18禁と知らずオタクに連れられて兄ちゃんたちにカツアゲされたエモい思い出が蘇ってきます。そん時から店内限界過疎だったしどうやって儲けてたんだろうとは思ってました。雰囲気すごいけど。
オタク、行け